なかなか治まらない心臓の音。



治まるどころかどんどん大きくなる一方で、それを気取られないよう必死にいつもの自分を通す。



「だから?オレには関係ないだろ。好きにすれば」

「それを聞いて安心した。梨久はおれの大事な友達だから」



踵を返す俊哉。



動かない梨久。



“梨久と一緒にいるのが、辛いの苦しいの……”



泣きながら言われた時、天国から一気に地獄に叩きのめされたような気がした。