いつまでも校門にいたら、女子に囲まれるのは時間の問題であり、そんなわずらわしい事やってられない。



梨久が廊下を歩いていると、前から黒宮が笑顔で歩いてきた。



「黒宮先生、顔がにやけてますけど」

「時田……俺は今、深夜アニメの感動場面を脳内で再生し、余韻に浸っているのだよ」

「いや、浸るのはいいんですけど……気持ち悪いですよ」

「お前だけ課題増やしてやるからな!」

「構わないですよ。オレ、苦手科目ないんで」



クラスの前で言い合ってる梨久と黒宮を見た、クラスメイトは苦笑いをする。



「またやってるよ。よくもまあ、毎回毎回やるよなぁ」

「天敵って感じかも」



周囲から視線が集まってきたため、この言い合いは自然に終止符を打たれる事になった。