次の日、こっそりと佐々木にお守りを渡すと、泣きそうな顔で喜んでいた。


見つけに行って良かった…




昨日の子は、特に特徴のある子では無かったけど、
昨日のあの姿が焼き付いてる俺は顔を覚えていた。

移動教室や放課後に、時々すれ違う事があった。




いつも隣には派手な感じの子が一緒で、嬉しそうに話ながら歩いていた。

その子とすれ違う時は、耳をそっちに傾けて声を聞いてた。


廊下に迷い込んだ虫を見つけて、皆なら殺そうとか逃げたりするのに、
その子は窓を開けて逃がしてあげ「外の方が生きやすいよ」と言ってたり、

人に頼まれ事をすると「こっちは気にしなくて良いから大丈夫だよ」と笑顔で答えていた。




そんな一つ一つの優しさを遠巻きに見てて、「良い子だな」と思った。