―翌日―

魔王ご一行は、比較的最近に出来たダンジョンの近くにある街にやって来ていた。

「賑やかじゃな」

街は武具屋、情報屋、薬屋など冒険に必要なお店が繁盛しているようだった。

「魔王が街に来たと情報屋にリークしてみるかの」

悪ふざけが過ぎるチャレンジャーな魔王を、メイヤとアーサンが必死に止める。

気をとり直して街を視察していると、魔王の手配書があったのだが、その手配書の前に不審な男がいるのを見つけた。

「魔王って激萌えじゃん」

ニヤニヤしたアフロの男は辺りをチェックしたかと思うと、素早く手配書の顔写真の部分を剥がした。

「エド、その写真何に使うアルか」

アフロ男を呼び止めたチャイナ風の女の子。

「愚問だなチャオ」

既に獲物を手にしているエドは強気になっていた。

「何アルか、その態度は?船長にあのことチクるアルよ。そのアフロも次は無くなるネ」

エドは船長と呼ばれる人に髪を燃やされ、アフロになっていた。

「ちょ、それは勘弁」

「なら分かってるな、誠意をみせるアル」

エドは渋々誠意をみせるため財布を取り出した。

全額奪われていた。

「ファムちゃんにルーズソックス買おうと思ってたのに……」

「キモいヨ、エド」

そんな面白いやり取りを魔王一行は見ていた。