―二日後―

「魔王様、何ですかこれは」

「もえちゃん、何なのこれ」

修学旅行から帰ってきていつものように学校から帰ると、アーサンとメイヤが物凄い勢いで魔王の元へやって来た。

「しまった、時間指定をしておけば良かったな」

二人が持ってきたものを見て魔王はちょっと失敗したなという感じに目を向けた。

「直接渡そうと思ったんじゃよ」

勿論二人が持ってきたものは修学旅行のお土産。

「そんなことを言っているのではありません。これがお土産なんですか」

魔王がメイヤに買ってきたものはろうそく、アーサンには南京錠。

「こんなもの何に使うんですか」

「アロマキャンドルに決まっておるじゃろ」

アロマキャンドル、と言った魔王はニヤニヤしている。

「これは明らかに違う目的に使うものでしょ」

赤くて大きなろうそくだった。

「アーサン、宝箱にはちゃんと鍵を掛けておけ」

「もえちゃんありがとう」

アーサンは魔王の気遣いが嬉しかった。

魔王は後ほど宝箱をあさりに行くためにスペアの鍵をそっとポケットに入れた。

「ふふふ、錠が有るからと油断して精々大切なものをしまうがよい」




修得:若気の至り