(アレンに誘われた……どうしようか)

それは二人で下校している時の事だった。アレンに

「家に遊びに来ないか?」

と言われたのである。
魔王は考えた。
アレンと遊ぶのは確かに楽しい。
楽しいと感じている反面、自分でも分からない心の奥底でアレンに対しての違和感があった。
魔王の中には二つの違和感があったのだが、この時それが何なのかは分からない。
ただその違和感が、魔王の決断を鈍らせている事は確かだった。

「ほら行くぞ」

「えっ……あ……」

アレンはもじもじしていた魔王の手を強引にひいて家に連れていった。

(手を握られてる……)

魔王は訳も分からず照れていた。




修得:乙女心