魔王家

「魔王、一つ聞いていいか。もえは今どうしてるんだ?」

「そんなに心配か?あやつは我が心の奥底に抑えつけておる。まぁ今、この状況をどうにも出来ずに見ておるじゃろうな」

もえの姿をした魔王マーサ、いや元々魔王マーサと似ているもえの口からアレンにそう告げられた。

「そうか……んじゃ、いかせてもらうわ」

アレンは魔王に攻撃を仕掛けた。

それにすぐ反応し、魔王マーサは魔法を連発する。

「この体はよく鍛えられておるな。力がみなぎってきおる」

アレンは迂濶に近づくことが出来ず、次々に魔法を薙払うだけである。

魔王マーサの力は異常だった。

メイヤからもえの体に戻り、アレンが現れるまさにこの時まで、もえの「邪悪な心」を奪い続け力を溜めていた。

そして今その力が体を得たことで、爆発していたのだ。

「さすが魔王……一筋縄じゃいかないわけね」

「何を言うておる?今の台詞は倒せることを前提とした言い方じゃぞ」

魔王マーサは勇者アレンの一挙一動が気に入らない。

「ん?そのつもりで来たんだよ」

アレンも負けずに言い返す。

肉弾戦より口論の方が激しい戦いを繰り広げていた。