魔王家

「アレン、それは本当か……」

魔王からまがまがしいオーラが出始めた。

「じゃなかったら、俺ここにいないぜ?」

魔王の様子がおかしい。
凄まじい邪気を纏ったオーラが魔王を包み込んでいる。

「勇者よ、お主はやってはいけないことをした」

魔王の声が少し変わった。

「お前は我が大事な部下を殺してしまった。この怒りはお前の命で足りるものではないぞ」

勇者が鋭い眼光で魔王を見ている。

「黙れ魔王!お前は俺に倒される。そういう運命なんだよ」

アレンが剣を天にかざした。

「お前もえじゃなくて、初代魔王マーサだろ?もえの体を上手く支配し、入れ替わったつもりだろうけど、口調が全然違うんだよ」

魔王マーサが嘲笑うかのような表情を浮かべる。

「勇者アレンとやらよ、なかなか鋭いではないか。余はドレイク・ド・マーサじゃ。『邪悪な心』の中でも上位の『殺気』で心が満たされるのを待っていたんじゃ。そして、それを利用しもえを支配した」

アレンも魔王と同じような表情をする。

「お前は俺に誘き出されたって分かってないようだな。もえの体で邪悪なエネルギーでも吸ってぬくぬく過ごしてたんだろ?俺は魔王を倒しにきたんだ。もえを倒しにきたわけじゃない。この意味が分かるか?」

アレンは今だ剣を天にかざしたまま、力を溜めている。