雨が降る。

「………」

今日の魔王は悲しげな雰囲気を出していた。
何か遠くを見るような心ここにあらずの状態。

そんな魔王を見つめるアーサン。

「可愛い……」

メイヤはアーサンの空気を読めてない発言を、待ってましたとばかりにボディに一発おみまいした。

そんなやりとりを気にもとめずに

「アーサン、メイヤ……もえには親というものはおらんのか?」

「え?」

二人は声を揃えた。

魔王は聞かずとも分かっていたが、今日は何故か寂しい。

二人は何も言えなかった。