シークレットLove


「それで私が「何?好きなの?」ってちょっと意地悪で言ったの。そしたら…なんて言ったと思う?」
「……さあ?」
少し興味なさげに言う。
しかし、かなり気になる俺。

「すごく気になるみたいね」
ニヤニヤしながら俺の顔を覗き込む。
なっ!!
何故わかった!?
平然を装ったつもりだった俺は門井さんに考えていたを見抜かれてしまい驚いた。

「なんでわかったのかって顔してるけど、今は置いといて。話の続きね」
…何故俺の思っていることがわかるんだー!
なんて心の中で叫んでみたり。

「そしたら、私の質問に物凄く嫌そうな顔をしたのよね…。そしてこう言ったの、「はぁ!?なんで私があいつのことを好きにならないといけないの?ありえないから!あんな奴の何処を好きになれって言うの?ホントありえないから!どのくらいありえないかっていうと私が芸能科に通うぐらいありえない」…ってね」
……あれ?
なんか俺…嫌われてる?
さっきのは、俺の、勘違い…?
一気にテンションが下がっていく俺であった。

「で、「なんでそんなに毛嫌いするの?」って聞いてみたら「軽いから。当たり前じゃん」サラッと言ったのよねー」
その光景を思い出しているのか、クスクス笑っている。

そんな門井さんを横目に俺は呑気に笑ってなどいられなかった。
……わ、笑い事じゃねー!!
俺どんだけ嫌われてんだよ!!
確かに“軽い”とかよく噂で聞くけども…。
そんな軽くないよ!?……たぶん。
あ、でもでも!
落とせないコはいないかな!
…ってこれが“軽い”ってことかぁ!!
ポーズをキメている場合じゃない!

すると隣から小さな笑い声が聞こえてくる。
何かと思い、顔を横に向けた。
「朝日くんって面白いね。落ち込んだり、キメたり、遂には頭抱え出したし」
門井さんが肩を小さく揺らしながら笑っていた。