「そ、そんなの聞いてません!!」

「横暴だ~!!」



「何を言っているの?

僕はちゃんとここに書いておいたよ?」


そう言って魔王が指し示すのは城下町に立てられていた札。


本文と魔王の署名の間をルーペで拡大して見てみるとそこには、


“ただし、つまらなかった場合は、魔王特製ブレンド『地獄の一滴』を飲んでもらうこととする”


と書かれていました。



後日、魔王は正式に奏を妻として娶(めと)り、奏は魔王妃となりました。


「おいで、奏?」


「えっ、何で……?//」



また、城下町一帯に激しい頭痛と幻覚に襲われるという謎の流行り病が蔓延したのは言うまでもございません。



おしまい☆