「やっぱりね。

この嫉妬に狂った男が殺気のこもった視線を送るような無粋な真似をしているようだったから、やめるように言ったんだけれど……」


額に手を置いて悩ましげな顔をする紫水。


「誰が嫉妬に狂った男だ!?」


「わからないかい?

遥、君のことなんだけど?」


『ちょっと、二人とも!!

お店に迷惑がかかるからここで喧嘩するのはやめようよ?』


「そうだね。

少し悪戯が過ぎたみたいだ」


慌てて止めに入ると珍しく紫水が頷いてくれた。


素直なのがいつもの紫水らしくなくて気持ち悪いんだけど……。