『どうぞっ』 私がそう言うと由依は少し身を乗り出し、ケーキを頬張った。 と、その時、なぜか私の背中にぞくっと悪寒が走った。 何、今の……? 「どうしたの、カナちゃん?☆」 少し不安そうな顔をしてあたりをキョロキョロと見渡す私に由依がたずねる。 『ううん、何でもないよ』 曖昧に笑ってごまかす。 気のせいだよね、こんなお店で殺気を感じたなんて……。