「おとうさん、たかいたかいして~?」 「高い高いならおにいちゃんがしてやるぞ?」 必死で父さんから奏を奪い返そうとするも、 「いやっ!! おとうさんのほうがいいのっ」 と、思いきり拒否されてしまった。 俺はもう立ち直れないかもしれない。 「どうして……どうしておにいちゃんじゃダメなんだ……?」 俺が独り言のつもりで吐いた言葉に、奏が反応する。