私こそ光る☆君 ~番外編~

『……大丈夫?』


本番中ということを踏まえて小さな声で尋ねると、遥は壊れたゼンマイ式の人形よろしくブンブンと激しく首を振る。


絶対おかしい。

おかしいのは確かなんだけど、どうしたら……?


逡巡し、視線を右往左往させれば清龍と目が合った。


何とかして~!!


そんな念を込めて見つめると、清龍は心得たとばかりにコクリと頷く。


やった、伝わった!?

私にもテレパシー能力が!?


喜ぶ私を置いて清龍が素早く立ち上がった。


反対側では紫水が何やら原稿を読み上げている声が聞こえる。


こちらの動きに気付いていないのか?

はたまた気付いていて、敢えてつっこまないのか?


清龍は近くに立って難しい顔をしながら遥をじーっと見つめている。


観察……してるのかな?


そして彼はサッと距離を縮め……。