私こそ光る☆君 ~番外編~

「ふふっ。

だってここはカメラの前じゃないのに光くん、女の子らしく振舞ってるでしょ?

私には演技のことはよくわからないけど、小さな仕草一つひとつがとっても女の子らしいもの」


今度の笑い声はさっきと違って、明るく朗らか。


いつもの奈々子さんだ。


「普段から演技の練習をしてるなんて、偉いわ」


『そ、そうですかね……?』


これには困ってしまった。


だって今は全く演技をしていない。

誰の役でもなく、ただの女の子の役だから素の私である“琴月奏”に戻ってしまっている。


それを奈々子さんは女の子らしい演技の練習と勘違いしたみたい……。


いたたまれない。


ううっ、ごめんなさいー。

性別偽ってて、努力が足りなくて……。


これからはもっと頑張ります。

奈々子さんの言葉が本当になるように。