「最後は僕だね」


流れるような動作で料理を出す紫水。


相変わらず見栄えと豪華さだけはかなりのものだ。


「さあ、僕の特製・フレンチフルコースを召し上がれ」


寒気がした。




紫水の審査は皆、無言のうちに終了した。

次々出される料理の見栄えの素晴らしさに息を呑み、味の凄まじさに息を詰まらせる。

そんな時間だった。



「いよいよ結果発表だね」


一人だけ笑顔の紫水が心底愉しそうに呟く。


げんなりした顔の海晴がまとめて結果を告げた。


「清龍の精進料理。

見た目:星2.5個、豪華度:星1個、味:星2個、気持ち:星1.5個。

遥のカレー(激辛)に見える何か。

見た目:星2個、豪華度:星2個、味:星1個、気持ち:星2.5個。

光の家庭料理(肉じゃがetc.)。

見た目:星2.5個、豪華度:星1.5個、味:星3個、気持ち:星2個。

由依のごちゃ混ぜ激甘スイーツ。

見た目:星0.5個、豪華度:星2.5個、味:0.5個、気持ち:星3個。

紫水の激苦フレンチフルコース。

見た目:星3個、豪華度:星3個、味:星0個、気持ち:星3個。

よって、光と紫水の同点優勝だ」


優勝。

でも、あんまり嬉しくないのは何でだろう?


「さあ、遥。

たんと召し上がれ?」


「勘弁してくれ!!」


遥の悲鳴が部屋中に響き渡った。




おしまい☆