「っくしゅん!!」 ピピッ。 『ん~っと、38度2分。 これは完璧風邪だね』 ズイッと遥の顔の前に体温計をかざし、断言する。 「うっせぇな……」 風邪のせいか、そう言う遥の声にはいつもの力がない。 『ほらほら、病人は寝てなきゃダメでしょ』 悪態をつく遥を適当にあしらい、ベッドに寝かしつけて布団をかぶせる。 ただいま、ホテルにて遥の看病中です。