それからバイトも慣れ始めたころ、一人の男の子とあたしは仲良くなった

その子はあたしの中学の後輩だったらしい、でも後輩に関わりがないあたしは初めて彼のことを知った

名前は、『龍也』
やせた体と色白のすごくきれいな顔をしている男の子だった
でも活発でいつも騒いで先輩たちに怒られるようなそんな子だった

あたしが根暗タイプだったら彼はギャル男みたいな感じだ

そんなあたしと龍也の関係を変えたのは龍也の一言だった

いつの間にか龍也と仲良くなってメールをして、電話であたしの愚痴を龍也は聞いてくれるようになった

電話越しに龍也が言った

『何で、歩さんは彼氏と別れないの?』
「一人になりたくないし・・・まず別れたらこんな外見好きになってくれる人なんていないよ」
『なんで??別れたくないの?』
「ブスだから、別れたいとは思うけど・・・」
『あのさ・・・俺・・・』

あたしはこのとき
きっとにやけていたと思う
だってまんまと罠にはまったから


それから龍也とは2、3日仕事でもシフトがかぶらず会う事がなかった

あれから一週間がたとうとしていたある日、龍也がバイトで同じシフトに入っていてあたしが一対一で教える仕事があった

二人で作業しているときにあたしは龍也に“あのこと”聞いた

「タツ~、あのさこないだのこと本気じゃあないっしょ?」
龍也は手を休めず真剣な声であたしに言った
「いや本気ですよ。俺歩さんが好きです」

そうあたしはあのとき龍也に告白された

「でもあたしまだ彼氏を別れられないよ・・?」
「俺待ちます。ってか俺を好きにさせてみせます」

そう龍也は3人目の被害者