帰りは、あまり会話がなかった。


恥ずかしさと嬉しさが入り混じって変な感じ…。


先生と歩く道のりは、短く感じた。

あっという間に家に着いた…。


「…ありがとうございました」

「うん」

「それじゃあまた」


「おう」


そう言うと先生は帰って行った。


でも途中で振り返って、


「安藤!!敬語禁止な!それから学校以外では名前で呼ぶこと。俺も紗月って呼ぶから。」


「え…?はい。あ、うん」


「じゃあな〜!」

そう言って手を振って帰って行った。

私は、このことが夢じゃないことを確かめながら、ずっとずっと手を振っていた。