なんて思っていたが、俺の本性を唯一見抜いたアイツに説得(脅し)されたらしく、木更津は次の日も手伝いに来た。



「木更津さん。来てくれたんですね?てっきりもう来ないかと思いましたよ。ただの無能な馬鹿ではないようですね。」

と、わざと笑顔で言うと

「私だって好きで来た訳じゃないんです!貴方の言う通り、私は無知で馬鹿なので、貴方の手伝いをしないと、留年しちゃうから、来ているだけです。決して貴方のためではないですからっ!」

と木更津も笑顔で言い返した。

手伝いしないと留年って......堂々と言うなよ。

「なんだ。自分が馬鹿だと言う自覚はあったんですね。」

と俺は言い

木更津の頭に手をおいた

「でも、一つ違うところがあるぞ?」

と俺が言うと

木更津は、頭に手をおかれた事にビックリしながらも、違うところ?と首を傾げた。


「お前は、無知で馬鹿なんじゃない。無能で!馬鹿なんだ。」

「無知だと、なんか可愛いイメージあるだろ?色々教えてあげたい。みたいな?で、お前は可愛いって感じではないから、無能で馬鹿なんだ。よく覚えておけ?」


木更津の表情がみるみる変わっていき

バシッ!

と頭にのっていた俺の手を思いっきり払いのけた。

......痛っ......


「そうよ!私は馬鹿よ!そして無能よ!!でもねぇ、無能で馬鹿な奴だって、出来る事はたくさんあるんだから!見てなさい!絶対に凄く頼りになる木更津様って言わせてやるんだから!」

と叫んできた。

俺はちょっと一瞬ビックリしたが、すぐにまた笑顔になって

「それは楽しみにしています。」

と言った。



コイツ......本当に面白いな......