だって、何この格好。


よれよれのパーカーに色褪せたジーパン、汚いスニーカー。


「えっ…それで行くの?」

我に返って聞いてみる。


「えっ、ダメ?」

平然と聞き返されて、あたしは激しい頭痛を覚える。

「ダメ?って、ダメでしょ普通。
卒業式に普段着の親なんて見たことないよ。」


「そんなこと言われても、卒業式に着る服なんて持ってないからしょうがないのよ。」