「すみません。許してください・・・ごめんなさい」
逃げ遅れた奴は、ひどく怯えていて捕まえると、すぐに謝ってきた。

「ごめんじゃねえよ・・・シャツが破けてんだよ。」
どうすんだよ?」


「ごめんなさい・・・ごめんなさい。」
逃げ遅れた子はもうごめんなさいしか言えない状態だった。


「ビビんなら、最初から喧嘩売ってくんなよ。」
高1だろ?ビビってんじゃねえよ。俺ら年下なんだからさ。」

「あぁ、別に殴ったりしないんで、さっきの奴の家教えてくれませんか?」
マコトは怯えてる高校生がかわいそうに思えて、なだめながらさっきの奴の家を聞き出そうとした。

「いや無理です。」

「無理じゃねえよ。」

そう問い詰めているときに何かがパシッと地面をたたいた。
4,5センチくらいの石が飛んできていた。

さっきの奴が戻ってきて石を投げつけてきたのである。

その姿を見て、ケンタは一気にそいつの方向へ飛んで行った。

相手もその姿を見て再び逃亡を開始した。

マコトはその姿を何度も見失ったが、ケンタが相手を捕まえている現場にたどり着いた

弁償しろよこのシャツ。」

いくらですか?」
相手はもう敬語になっていた。

5000円だ!」

無理です」

ふざけんなよ!てめえが破いたんだからな」

ケンタのシャツはどうみても5000円には見えなかった。
シャツなら1000円くらいでも安いのが売っている。
それを、マコトはケンタに伝え、ケンタをなだめようとした。

お前いくら、ある?」

2000円です・・・」

それで良いから、よこせ。」

そう言うと相手は黙って財布から2000円を取り出して、ケンタに渡した。

お前も、こういう事するのやめろよ。」

はい。」

ケンタの説教も終わり、そいつを開放して再び町に戻りケンタのシャツを買いようやく地元に帰ったのである。

ケンタッキーなんであんな大きい奴投げれるの?
まじでビビったよ。」

えっ?俺投げたの?」

ケンタは投げた事を覚えてないかのようだった。

投げたじゃん。そのあと馬乗りになって、殴ってたじゃん。」