「ッ…」


いきなり胸の鼓動が早くなる。



それと同時に顔が真っ赤になっていくのがわかった。

「?」


何も言い返さない私を不思議に思ったのか顔を覗き込む葎。


――これじゃあ心臓がいくつあっても足りないよ…



「ト…トイレ行ってくる!」



目の前にいた葎を押し


みんなから離れた場所で乱れた呼吸を整えた。


「緊張したら、本当に行きたくなっちゃった」



と言い今度はトイレに向かった。