◆ 2番目の人魚姫




「馬鹿……!」




私はナイフを置いて
シアに抱きつく



そして笑うどころか
泣きじゃくってしまう




「泣いてばかりじゃいけないよ…クレア」


そう言うと
シアは私の額にキスした



「クレアは笑っていた方が綺麗なんだから。僕は笑ったクレアが好きだよ」



「……シア…」



シアがふわっと笑うから


私も目に涙を溜めたまま
ほんの一瞬
笑った