「せめて・・・幸せな気持ちでいけるように…」




そう願いをこめて、神力を使った。


こうする以外、私はなにもできなかった。





「・・・・」


「そういえば翼は、ど・・・わっ!」


話しているときに、いきなり手を引っ張られた。



あまりにも突然だったから、気付いた時には翼に抱きしめられていた。






「つばっ…」
「俺はなにも見ていない」




えっ・・・




「俺はなにも見ていないし誰にも言わない。

だから・・・泣けよ」




っ---!




「無理に笑うな。泣きたいときは思いっきり泣けばいい」