「――っ!!!」
びっくりして、思わず目を見開いた。
そうしてリカちゃんは、また目を閉じてしまった。
「ぅ…」
私はこらえることができず、病室から飛び出した。
――走りつづけた。
苦しくて、苦しくて、押しつぶされそうな気持ちを抱えながら。
『天使の羽が見える』
それは、他の人からみればただの幻覚だと簡単に片付けられるが、私たち天界人は違う。
事実、私の背中には羽がある。
それは私に限らず、天界人すべてにある。
だが、人間には見えない。
命の灯と同じ――
けれど、命の灯とは意味が大きく異なる。
羽が見えるということは
その者は、もうすぐ同じ世界の住人になるということを意味する。
つまり――
「リカちゃんッ・・・!」
タイムリミットは、すぐそこまできていた――…


