私はすぐに傍に駆けより手を握った。
「リカちゃん!しっかり!」
目は虚ろだったけど、しっかりと私を見ていた。
「かのん…おね…ちゃん。
リカ……もうダメな、のかな…」
「なに言っての!元気になるって言ってたじゃない!」
元気になって、外でいっぱい遊ぶって!
みんなを助けることができる看護婦さんになりたいって!
命の灯が見える中、私はただ慰めの言葉しか言えなかった。
現実と願望のはざまで、心が揺れる。
「リカ・・・目、おかし…くなったの、かな?」
えっ・・・・
「かの…おねえちゃんの背中に…
天使の羽が見える……」


