「ありがとう。大切にするね」 ギュッと手を握った。 --自分らしくないことはわかっている。 父親が神様だから、“神頼み”なんてしたことなんてない。 けど・・・、お願い。 神様でも仏様でも誰でもいい。 どうか・・・ どうか、この小さな手が一つでも多くの幸せを掴めますように--… しかし、その願いは届かなかった。 この時がリカちゃんの笑顔を見る最後の時だったなんて誰も予想していなかった。 翌日から、リカちゃんは来なくなってしまった。 病状の悪化。 それはきかなくても十分にわかった。