「よかった・・・」 ホッと胸をなでおろした。 けれど-- “命の灯”は見えている。 しかも昨日よりもわずかだが小さくなっている。 他の人には見えない、この子の寿命。 自分だけが知っている事実に胸が苦しくなる。 「・・・・。リカちゃん、屋上行こっか」 *** 「わーっ!お空がひろーい!」 車いすに乗ったままだけど、リカちゃんは手をいっぱいに空に広げた。 ここは病院の屋上。 いろんな植物が植えられている患者たちの憩いの場。 嬉しそうにするリカちゃんを私はただ見つめた。