神様娘の憂鬱



「そんなことできるわけないだろ。俺は“お目付役”なんだから。
それに俺はお前にもう少し
“自覚”を持てって言ってんだよ」




ほら。

翼は二言三言目には『自覚』だの『後継者』だのって…


翼が見ているのは私の“神様後継者”というレッテルだけ。





「それにお前が怪我したら大変だろ」



「っ・・・」




確かに私だって怪我はする。


人間と一緒だもん。
病気で死ぬことはなくても事故や怪我をして死ぬことはありうる。





「俺はそういうのも心配してるんだよ」


翼の真っ直ぐな澄んだ目が私を見つめる。









…やっぱり翼はわかってない。


その言葉が、その目がどれだけ私をドキドキさせるかを。