「そんなに怒るなって。いいじゃん。あの二人はめでたく結ばれて、サクも無事俺の婚約者に戻れたわけだし。…あ、それともやっぱり婚約解消したかった、とか?」


少しだけ探るような目でハルが言う。

最高に頭にきてるはずなのに、どうしてこいつの言葉の一つ一つに胸が高鳴るんだろう?
 
自分で自分がよく分からない。


「…したかったわけないいじゃん。何のために必死に戦ったと思ってんの…?」

「俺のため?」


ムカつく。
この当然でしょみたいな態度。

でも。
そんな奴を好きな私もどうかしてるわ。

小さくため息をついて、ハルを軽く睨む。

もういい。
逆ギレしてやる。


「そうです!!ぜーんぶハル様のためです!!」