2人の距離が近付く。


顔が。


唇が。



耐えきれなくなって、私はハルの手を引いた。



「や、」

「やめて下さい!!」



けれど、止めようと口にした言葉は、誰かに遮られた。


見れば、私と同じように、若菜ちゃんの手を引く向井の姿があった。