次。
若菜ちゃん。
これでまた若菜ちゃんが100点か、50点なら私は敗ける。
30点なら何とか同点に持ち込める。
まさか、若菜ちゃんが0点なはずないし…。
「…0点」
「あら、失敗してしまいましたわ」
やけに冷静な若菜ちゃんの台詞で、私は顔を上げた。
結果を見るのが怖くて、ずっと下を向いていたのだけれど、まさかのまさか。
若菜ちゃんが的を外すなんて。
これはチャンスだ、と思うと、また更に緊張感が身体を縛る。
ダメだ。
このままじゃ、絶対に失敗する。
ふとハルの方を見ると、口パクで何か言っているのが見えた。
「しん、こきゅう…?」
そう。
そうだ。
焦っても意味はない。
落ち着いて。
息を吸って。
全ての神経を的の中央に集中させる。
1、2、
3
「100点!勝者、九条咲良!!」