「100点」


さすが、というべきか。
弾は的のど真ん中を貫いていた。


次は私の番。

手にじとりと汗が滲んで気持ちが悪い。

震えそうになる腕を何度か叩いて、一歩を踏み出した。


真っ直ぐに銃口を的に向けて中央を撃ち抜いた、つもりだった。



「30点」


容赦のない組長の言葉に、思わず舌打ちする。


何でこうなるんだろう。

実は私、勝負運がないんだろうか。


遠くでハルが小さくため息をつくのが分かった。


もうやだ。
本当、情けない。


私がグダグダしているうちに、若菜ちゃんが二発目を撃つ。


当然のごとく、それも100点。


次に私。


もう敗けられない。


この間のハルの教えを頭の中で繰り返して引き金を引いた。


「…100点」


「やった…」



小さく呟いてガッツポーズ。

これでまだ、私にもチャンスはある。