一瞬、何が起きたかわからなくて。


しばらくしてからやっと、自分が仰向けに倒れていることに気付いた。



「う、そ…」



天井を見上げたまま、呟く。


信じられない。

信じられないけど。



「勝負あり。勝者、東若菜!」



組長の鋭い声が耳を打つ。


どうしよう。


私、負けちゃったんだ…。