私がそう答えると、若菜ちゃんは頷いて、それから組長に向かって言った。



「おじ様、くれぐれも公平に審査してくださいませね。元々の婚約者はサクお姉さまかもしれませんけれど、おじ様とハルお兄様が承諾した以上、今は二人とも同じ立場なのですから」


「分かっているさ。お前たちも全力を尽くせ」


「ええ。サクお姉さまも、手加減はなしでお願いします」


「…元からそのつもり」



たとえ相手が自分より華奢で小さな若菜ちゃんだとしても、この勝負だけは譲れない。

私が小さく呟くと、若菜ちゃんは満足したように優雅に笑った。



「それでこそ、サクお姉さまです。では、当日はお互いにベストを尽くしましょう」


「そう、だね」



何だか余裕そうな若菜ちゃんに対抗するように、私も真っ直ぐにその瞳を見つめた。


そう。

何があっても負けるわけにいかない。


決戦は三日後一。