「まさか。大事な一人息子の嫁選びだからな。俺は真剣だぞ?」
どこがだよ、どこが。
半分笑いながら言われても、全然真実味ないし。
私は軽くため息をついてから聞いた。
「で、勝負の内容は決まったの?」
「ああ、決まった。勝負は二回。もし一対一の引き分けになったら三回戦目で決着をつける」
「おじ様、もったいぶらないで内容を教えて下さいません?」
若菜ちゃんがそう言うと、組長はまた少し笑ってから答えた。
「内容はそれぞれが得意なものにした。公平に一回ずつな。一回戦は武術。二回戦は射撃だ。どうだ、これなら文句はないだろう?」
武術が得意な私と、射撃の名手の若菜ちゃん。
確かにそれなら公平な勝負になりそうだ。
「分かりました。私に依存はありませんわ。サクお姉さまは?」
「私も構わないよ」