だからといって、相思相愛の恋人同士なのかというと、そうでもない気がする。

この前、気まぐれみたいなキスをハルにされたけど、あれが本気なのかもよく分からないし。



直接『好き』って言われたことも、言ったこともない。


今さらっていう気持ちもあるし、何か照れ臭い。


どうせ何も言わなくたって、ずっと2人でいることに変わりはないんだし、まぁいいかな、なんて。


こういうのって、甘えなんだろうか。


私が色々思い悩んでいると、オハナが陽気に言った。


「テスト終了のお祝いに、ボーリングにでも行きますか!」


「あ、いいですね!ねぇ、サクさん、ハルくん!!」


オハナとノブの笑顔に弱い私とハルは、そのアイディアに賛成した。


4人並んで、他愛もない世間話をしながら、正門へと向かう。



「…何か、騒がしくない?」


正門付近に、人垣が出来ていることに気付いた私はそう言って首を傾げた。