しばらくして女子の残りの集団が
ゴールしてきた。
大体3分の2くらいの女子が
ゴールしたとき
補習まで残り10分だった。
ゴールした女子のなかに
あの子の姿は見当たらない。
…いい気味。
今まで感じたことのなかった感情が
一瞬心を駆け巡った。
あたしでもこんなこと思ったりするんだな。
内心すこし驚きながらも
あたしの顔には不意に笑みがこぼれる。
そんな瞬間だった。
周りの女子がザワザワしはじめた。
なにか起こったのかと思い
その方向を見るとそこにいたのは
あの子をおぶってゴールした
啓太だった。