アイノウタ。



【綾香SIDE】





やっぱり気持ちいいー♪


家とは全然違って


声がどこまでも広がっていく。


しかもどんなに大きな声で歌っても


誰にも怒られない。


家だと近所迷惑になっちゃうからね。


わたし気持ちよく歌っている


そんなときだった。





「…すげぇ」





突然後ろのほうから声が聞こえた。


わたしは歌うのをやめて


バッと振り返る。


そこにいたのは朝に助けてくれた


あの男の子だった。