「付き合ってないから」

教室に入った瞬間、
俺の耳に入ったのは
彩愛の冷たい一言だった。

俺は、話がわからず
とりあえず席についた。
すると、

『真希さん、彩愛ちゃんと
付き合ってなかったんですか?』

...そういうことか...。

嬉しそうに言ってくる女の
一言で理解した。

「ちょっと来いよ」

俺は、彩愛を無理やり
屋上へ連れ出した。

「授業があるので放して下さい」

「ちょっと黙ってろ」

屋上には誰もいない。
俺は確認してから...

「お前、また元に戻りたいのか?」

「どういう意味ですか?」

「俺の言うことは絶対だよな?」

「・・・。」

「さぁ、どうする?
 教室で返事待ってるからな」

バンッ

何か言いたそうにしていたが、
俺は、彩愛を置いて
先に教室に戻った。