アタシタチノオウジサマ

「どうしてあんたのリアル見て怒んなくちゃいけないの？」


「やましいことでも書いたのかな？」


「紫音がこんなことする子だなんて思わなかった。」
　

　瑠璃は信じられないといって表情であたしを見た。どうせ瑠璃だってこの二人のこと嫌ってるんじゃないの？あたしはそう言ってやりたかった。


「誰に聞いたの？」
　

　リアルを彼氏以外に教えたことがなかった。


「瑠璃の彼氏が教えてくれたんだよね？」


玉緒は瑠璃に抱きついた。


「瑠璃の彼氏って？」
　

　瑠璃は机の上にあったプリ帳を開き、あたしに見せた。


そこには…瑠璃と抱き合って映るコウスケの姿があった。


「コウスケ…。」


「びっくりしちゃった。まさか、あんたがコウスケを奪った女だったなんてね。」
　

　瑠璃は怖い顔をした。今までにみたことがない表情だった。


「あたしはね、コウスケと３年も付き合ってんの。コウスケはいつもあたしのこと愛してくれた。なのに、高校に入学する３週間前にコウスケに振られたの。あたしよりも夢中にな女ができたって…３週間後にはあたしのとこに戻ってきたけどね。」


　何が何なのか頭の中がごちゃごちゃになった。何か言い返したいが、言葉がでてこない。


「リアルのことも瑠璃のことも最低だよね。本当に嫌な女。」


　広美がそう吐き捨てると同時にチャイムが鳴った。




　そのチャイムは、あたしと三人の戦闘開始のゴングだった。