アタシタチノオウジサマ

 朝、いつものようにみんなに話しかけた。


「おはよう。」


「…。」


 広美を含めた全員に、いわゆるシカトということをされた。


「あれ?みんな…どうかしたの?」


「…。」


 あたしは訳が分からなかったが、何か言う前にチャイムが鳴ってしまい、もやもやしたまま席についた。昨日の自分の行動について考えていて、朝礼なんて耳に入らなかった。


「源さん。聞いてますか?」


 担任にそう言われたときも少しぼーっとしていた。


「え?何が?」


 すると、クラス中からクスクス笑いが起こった。嫌な笑いだった。そして、急に玉緒が口を開いた。


「聞いてる訳ないよねぇ。頭の中は愚痴でいっぱいなんだから。」


「矢島さん。静かにしなさい。」
 

 あたしは一瞬ですべてを理解した。もしかして…リアルを見られた??そうこうしているうちに朝礼は終わった。十分休みの時間だ。


「あの…ちょっと聞きたいことがあるんだけど…。」
 

 あたしは三人の所に行って、話しかけた。


「…。」
 

 三人は何も言わずにあたしを睨んだ。


「…何かさ、怒ってる?」
 

 それからしばらく沈黙が続き、広美が口を開いた。


「…心当たりないの?」


「…あたしのリアル見た?」
 

 三人は顔を見合わせてくすくす笑った。