アタシタチノオウジサマ

「怪我してない?」


「はい。」


 あたし達は、近くの公園のベンチに座った。呑気に遊んでいる子供達を見ると、一気に安心感が体中に伝わってくる。あたしはほっと胸を撫で下ろした

 
…ん?

 撫で下ろした手はブラに直接触れていた。制服が肌蹴たままだったのだ。しかも、女子高生がおしゃれにボタンを開けるレベルを通り過ぎている。

 
 あたしは光さんの目を気にしながら、慌ててボタンを留めた。光さんはその様子をじっと見つめていたが、あまり興味がなさそうな無無表情のままだった。


 あたしの経験上、こういう場面に出くわす男の子って、かなり焦るんだけどな。そういう反応されると逆に困る。


 何だか気まずい空気が流れた。


 その空気を遮るかのように、バイブ音が鳴り響いた。