大好き‥だよ。

『西山君は、何か好きなことはないのかな?スポーツとかは?』

先生は一度、持っていたペンを置いて西山君の返事を待った。


『体を動かすことは好きです。でも‥これっていうものは』


『そうですか。じゃあ、先生が担任でいられる2年間に何か好きなスポーツを一つ見つけましょうね!!先生も体動かすことが好きなので、みんなと一緒に遊びたいし』

先生は、私たちにピースをしてきた。


そんな先生の姿を見て、これからの学校生活に期待を抱いた。



『次は、中村彩さんお願いします‥』


名簿順に、1年1組の生徒が名前と将来の夢を語った。
人数が少ないということもあり、30分程度で自己紹介が終わり最後に先生からの話が始まった。



『さて、今日はこれで終わりになります。みんなのお父さんやお母さんは、あと30分くらいで体育館から戻って来ます。それまでは、クラスの友達と仲良くおしゃべりをしていましょう。教室からは出ないようにしましょうね』


『『はぁーい!!』』

私たちは右手を上げて、大きな返事をした。


「この後は、自由時間だから俊チャンと話でもしてよう」

私は笑顔で後ろを振り向いた。



『ねぇ~俊チャン』

すると


『松浦君!!』

教室の中にいた女の子3人が走ってきて、俊チャンの席を囲んだ。


『私たちとお話しない?』

キャピキャピした声で話しかけていた。俊チャンはというと‥


『あ、あぁ~‥』

少し面倒くさそうな返事をしていた。