大好き‥だよ。

『あと少しで卒業なんだけど、残念ながら鳴海は皆と一緒に卒業式を迎えることが出来ないだ。今週末だったよな?引越しするのは』

『はい‥』

『『引越し!!?』』

これ以上明かないという限界まで目を見開いて悠君をみた。寂しさを通り越して、すでに決心がついているようだった。

『鳴海から一言あれば、この時間を使っていいぞ』

『ありがとうございます。じゃあ、少しだけ』

私たちの不安を吹き飛ばすくらいの満面の笑みで話始めた。

『えっと‥突然なんですが引っ越すことになりました。荷造りとか殆ど終わっていて、後は今週の日曜日を迎えるだけです。

中学年からこのクラスの皆と一緒に勉強とかスポーツとかしてきました。転校初日は、クラスの皆と仲良くやっていけるのか正直不安があったけど、俊とか和樹とか大原さん、それから‥結さんが話しかけてくれて、本当に嬉しかったです。このクラスに転校する事が出来て良かったです。

最後に‥
沢山の思い出をありがとう!!』

そう言って、深々と頭を下げた。

こんな時ってどんな言葉をかけてあげればいいんだろうか。見合った言葉を見つけられず、息をする事を忘れていた。


『今週末‥なのか?』

信じきれないという顔で和樹君が聞いた。「あぁ」悠君は俯いたまま呟き、ゆっくりと体を起こした。

2人とも暫くの間、何も話さずにじっと見つめていた。すると

『分かった(笑)』

和樹君は両腕を組んで、堂々と立っていた。一体、何が分かったんだろう?想像もつかなかった。