大好き‥だよ。

『俺にチョコくれないの?』

『えっ?』

『本命チョコ欲しいな(笑)』

そんな事言われるなんて思いもしなかったので、少し戸惑ってしまった。中々返事をしない私に、何故か和樹君が突っ込んできた。

『ってか、早く返事してやれよ。ってか、悠もガッツくなよ。ってか‥』

『ってか、話聞いてるなよ』

2人で「ってか」のオンパレードをしていた。

『ってかさ~』

『ねぇ~まだ「ってか」が続くの?あっ!!』

私もこの言葉を使っていて、そんな自分に一番驚いた。

プッ

悠君が先に笑い出し、つられるように私たちも笑った。そんな私たちの様子を、遠くから俊チャンが見ていたとも知らずに‥

涙目になりながら笑っていると、悠君の目つきが変わった。

『やっと笑った』

『へっ?』

『イヤ、さっきまで不安そうな顔をしてたからさ』

『そんな事‥』
『ないって言い切れるの?』

『それは‥』

『じゃあ、ギリでいいからチョコ頂戴』

『えっ??』

『だからガッツくなって言ってるだろ、悠』

『だな(笑)』

2人が笑っている姿を。ううん‥悠君の顔をまじまじと見てしまった。

どうして私の事がそんなに分かるの?
私はあなたの事が‥

分からない。

ごめんね。私がいつも見ている人は俊チャンだから。


私の視線に悠君が気付いた。首を傾げていたので曖昧な笑顔を返した。「いつもありがとね」今は言えないけど、いつかきちんと伝えるね。

その後、先生が教室に入ってきて授業が始まった。