大好き‥だよ。

『大会は待ってくれないんだぞ。だから悔いが残らないように日々の練習をしっかりやれ。大会が終われば、ここに来ることもなくなるしな。俺の顔も見なくなるって考えれば、底力が出るんじゃないか?(笑)』

『えっ?ここに来る事もないって‥大会終わったら練習も終わっちゃうんですか?』

『あれ?担任の先生から聞いてないのか?大会はこれにしか出ないから、表彰台に上れなかった人はそこで終了だ。次の練習は‥‥早くて1年後だな』

『‥そう‥なんですか‥』

仲良くなれた先輩達と逢えなくなると思ったら少し寂しかった。同じ学校に通っているけど、学年が違うとやっぱり逢う回数は少ない。練習が始まってから、学校で1度も話した事がないという先輩も中にはいる。

こうやって話せる事は貴重なんだって事がジワジワ伝わってきた。

それから‥俊チャンと2人きりで宿題をやる時間、この場所まで来る道のり、陸上の練習。共通の時間を持てたことで、ギクシャクしていた私達を昔みたいな関係に戻してくれた。大切な時間だったのに‥それが無くなると思うと不安になって来た。

こんなに近くにいるのに‥
目の前にいるのに‥


また、二人の距離が開いちゃうのかな?

最悪な状況が頭を過ぎった。