大好き‥だよ。

『えっ!?俺も?』

『俊チャンも?』


私たちはお母さんを見つめた。


『俊君のお母さん、急に仕事になっちゃってね。校長先生の話の途中で帰っちゃったのよ。だから、おばさんが俊君を家まで送ってあげる』


「ありがとうございます」俊チャンはお礼を言った。私は、お母さんと繋いでいた手を離し、俊チャンの隣に行った。


『帰ろっか?』

私が聞くと俊チャンはゆっくり頷いた。
そんな私たちのやり取りを見ていた先生が近づいてきた。



『明日から授業が始まります。頑張りましょうね』


『『はぁーい!』』

2人で手を上げて返事をした。俊チャンと声が重なったことに驚いて私は横を向いた。すると、俊チャンも私を見ていて目が合った。


私たちは可笑しくなって笑い合っていた。





『松浦君をお願いします』


『分かりました』

2人の会話が終わり、お母さん達は軽く頭を下げていた。そして



『結チャン、俊君。帰るわよ』

私が真ん中で、右にお母さん、左に俊チャンという並び順で歩き始めた。



『俊チャン、小学校って楽しいね』

『そうだね』

『同じクラスだったね。6年間よろしくね?』

『おう!!』


私は笑顔が絶えなかった。
俊チャンも‥さっき教室で女の子に囲まれてた時よりは‥笑顔だよね?



俊チャンも、そうであって欲しいと密かに願っていた。